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谷口吉郎 『雪あかり日記/せせらぎ日記』
544ページ、文庫
価格:1,300円+税
1938年、日本大使館の改築(敷地内の日本庭園造園の顧問として)のためベルリンに赴任した建築家・谷口吉郎。客船「靖国丸」による船旅の終着地マルセイユを経てベルリンに到着したその日に勃発した、ユダヤ人排斥の暴動「水晶の夜(クリスタル・ナハト)」の騒然とした雰囲気にあてられ、混迷する欧州の時代状況を肌身をもって感じることとなる。改築資材を求め奔走し、歴史的建築物を訪ね歩く日々を過ごすが、その間にも戦火は否応なく迫っていた。この本は、ナチスドイツの建設総監シュペールとの面会、ベルリン芸術週間など歴史の転換点に立ち会った日本のモダニズム建築の巨匠の若き日のドイツ滞在記である「雪あかり日記」と、その後に執筆された「せせらぎ日記」を収録した。建築家自身によるスケッチ、カットを収録。解説:堀江敏幸