¥3,740
和室学 世界で日本にしかない空間
編集:松村秀一 、服部岑生
369ページ、ソフトカバー
価格:3,400円+税
世界でも日本にしかない「和室」。この本は「和室」の世界文化遺産的な価値について広く考え、理解してもらうための基本的な学知をまとめたもの。「和室」の定義という悩ましい問題から始まり、その無形の文化的な価値という観点から検討。日本人が「和室」だと感じる空間の特徴は、意外な程に世代を超えて共通しているという事実の発見。日本人の生活文化自体が、明治維新以降の西洋文明の影響、第二次世界大戦後のアメリカ文化の影響等を強く受けながらも、和室という空間とそこでの暮らしというあり方が、根強く残ってきたことに着目します。また、そもそも和室の歴史とはどのようなものかについて、和室の起源と思われる書院造の発生の時期とその背景を説明。自由で平等な空間のあり方こそが和室の本質だという視点が提示されています。他にも「畳」という世界に類を見ないモジュール・システムについての論考、和室全体の展開に限らず現代建築にも少なからぬ影響を与えた「茶室」について、昭和期の著名な建築家たちの住宅作品の中で和室がどのように扱われていたのか、など気鋭の論者11名による最新「和室」論を通じて、これまでにない角度で和室の正体に迫ります。
この4月から始まったワタリウム美術館でのレクチャーシリーズ「新・和室学」にご登壇予定の方々の論考も含む、日本家屋のシンボルというべき和室の歴史と現状、そして将来への展望を紹介する入門編にして決定版的な一冊です。
<目次>
・はじめに 和室の再発見と新生への道 松村秀一
・和室とは何か 服部岑生
・和室の起源と性格 藤田盟児
・近世和室の豊饒な世界 小沢朝江
・茶の湯と和室 桐浴邦夫
・唯一無二の畳 平井ゆか
・明治維新以後の和室 内田青蔵
・モダニズム建築の和室 上西明
・和室の現象学 鈴木義弘
・日本人の暮らし方と和室 岡絵里子
・和室の世界遺産的な価値 稲葉信子
・むすびに 松村秀一
・和室 この100作品 松本直之