¥2,200
クリストファー・アレグザンダー『オレゴン大学の実験』
宮本雅明 訳
203ページ、ペーパーバック
価格:2,000円+税
クリストファー・アレグザンダーによる「建築と計画に対する全く新しい姿勢を述べた一連の著作」の第3の書。彼が提唱した「パタン・ランゲージ」を用いた設計思想の実践例を紹介。アレグザンダーは冒頭で「現在認められているようなマスター・プランが、ある全体を創造し得ないこと、つまり、ある総体性を創造できても、全体性は創造できず、また全体義的秩序を生み出し得ても、有機的秩序は生み出し得ないことを論じてみたい」と述べ、マスター・プランによる大規模集中計画に代わる、有機的秩序を創造するための6つの原理を提唱する。
【1.有機的秩序の原理】計画や施工は、全体を個別的な行為から徐々に生み出してゆくようなプロセスによって導かれること
【2.参加の原理】建設内容や建設方法に関するすべての決定は利用者の手に委ねること
【3.漸進的成長の原理】各予算年度に企画される建設は、小規模なプロジェクトに特に重点を置くこと
【4.パタンの原理】すべての設計と建設は、正式に採択されたパタンと呼ばれる計画原理の集合によって指導されること
【5.診断の原理】コミュニティ全体の健康状態は、コミュニティの変遷のどの時点でも、どのスペースが生かされ、どのスペースが生かされていないか、を詳しく説明する定期的な診断に基づいて保護されること
【6.調整の原理】最後に、全体における有機的秩序の緩やかな生成は、利用者の推進する個々のプロジェクトの流れに制御を施す財政的処置によって確実なものとされること
本書はオレゴン大学というコミュニティをフィールドにした、アレグザンダー思想の実践編。
クリストファー・アレグザンダー
ウィーン出身の都市計画家・建築家。ケンブリッジ大学で数学を学んだ後、アメリカに渡り、ハーヴァード大学大学院で建築学を学び、カリフォルニア大学バークレー校教授になる。建築・都市計画の理論としてパタン・ランゲージを提唱したことで知られる。