David Wojnarowicz: Dear Jean Pierre
616ページ、600カラー＋モノクロ図版、ソフトカバー　英語
税込価格：8,910円

ニューヨークを拠点に活動したアーティスト、デヴィッド・ヴォイナロヴィッチ(1952-1992）が、パリに住んでいた恋人のジャン・ピエール・デラージュに送った夥しい数の書簡と、そこに添えられたドローイング、写真、コラージュ、その他のエフェメラを集めた一冊。1979年から1982年までの4年間に二人の間に交わされた日常生活の描写、若きアーティストとしての野望や苦悩、視覚言語におけるさまざまな試みとアイデアなどを凝縮された形で収録。この作品集を通して、読者はヴォイナロヴィッチの「ランボーシリーズ」、彼のバンド「3 Teens Kill 4」、最初の写真集の出版、ピーター・ヒュジャーとの友情、当時勃興しつつあったイースト・ヴィレッジのアートシーンや音楽シーンの熱気などに触れることができる。

＜本文より＞
親愛なるジャン・ピエール、
今日は一日中チャイナタウンを歩き回って、この小さな中国のコーヒーショップで何枚か写真を撮りました。美しい場所。私はコーヒーマシンの後ろの壁にテープで貼られた封筒の中の聖者の2枚の小さな写真を見たので、それを撮影しました。この瞬間、私はウェストビレッジでブライアンが降りてくるのを待っています。先月はあまり一緒に過ごしていなかったので、今夜は映画館に行きます。私は午後、川の周りをさまよいました。風と水の音でとても平和に感じました。また、写真を撮るのに面白いものもありました。見知らぬ人が壁に作った落書きの写真をたくさん撮りました。今日は暖かく、美しい日です。あなたが元気だといいのですが。
体に気をつけて。—LOVE、デヴィッドよりー

画家、写真家、作家、映画製作者、パフォーマンス・アーティストであり、アクティヴィストでもあるデヴィッド・ヴォイナロヴィッチは、1954年にニュージャージー州レッドバンクで生まれ、1992年にニューヨークでエイズのため亡くなった。作家として、またエイズ啓蒙の提唱者として、また検閲に反対する姿勢で知られている。ヴォイナロヴィッチの作品は、ニューヨーク近代美術館、ホイットニー美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館、オタワのカナダ国立美術館など、数多くの個人および公的コレクションに収蔵されている。