¥6,600
奈良美智:終わらないものがたり
イェワン・クーン・著
384ページ、392カラー図版、ハードカバー
価格:6,000円+税
気鋭の美術史家/キュレーターであるイェワン・クーンによる初の奈良美智の評伝であり、同時にその全キャリアにわたる作品批評を記した研究書でもある圧巻のモノグラフ、ついに日本語版が出版されました。
ルーツとしての東北、ロック・ミュージックとの出会い、美術学生としての日々に始まり、世界的な支持を得た2000年代の葛藤、そして東日本大震災をきっかけとした「北」への回帰までを、アーティストへの緊密な取材と徹底した作品分析で描き出しています。
本書を大きく特徴づけるのはなんといっても著者イェワン・クーンのテキストです。クーンの文章は、奈良美智の21歳でのヨーロッパ旅行、帰国後の松本竣介(1912-1948年)作品との出会い、デュッセルドルフ時代の恩師A.R. PENCKからの学びと発見など、まだ「何者でもなかった」時期のことから、初期の金字塔的作品「The Girl with the Knife in Her Hand」の誕生、1995年のアメリカでの初個展など年代を追って綴られています。作品とアーティストの(そして、特筆すべき展覧会への言及も含む)クロニクルであると同時に、出来事と出会い、チャンスと挑戦、作品の制作とアーティストの思考が一つの流れのように相互に影響を及ぼし合い、アートの世界にユニークな境地を切り開いてゆく過程を記録した心躍る冒険者の物語でもあります。