¥9,350
Niki de Saint Phalle: The Retrospective
207ページ、195カラー図版、ソフトカバー 英語
価格:8,500円+税
ニキ・ド・サンファルは、官能的なナナ(官能的で色彩豊かな女性像)のシリーズで一躍有名になり、美術界を超えた人気を獲得しました。しかし、独学で学んだこのアーティストの創作領域はもっと広く、絵画やドローイングからアッサンブラージュ、パフォーマンス、演劇、映画、建築にまで及んでいます。この新刊はチューリヒ(Kunsthaus Zürich)からフランクフルト(Schirn Kunsthalle)に巡回した大規模な回顧展の図録として出版されました。ニキの型破りな作品は、一般に思われている以上に社会に対する破壊的で批判的な側面を持っています。1960年代の「射撃絵画」を筆頭に彼女の作品の中心には、彼女自身の感情の処理(一種のアートセラピーとしての)があり、その結果、当時の社会的、政治的慣習、制度、ロールモデルに対する批判的な問いかけが表出していました。そしてその作品についての議論は、今日の社会情勢の中でますます重要性を増しています。本書は、ニキ・ド・サンファルの仕事を包括的に取り上げ、常に驚きに満ちて、奇抜で感情的、沈痛でありながらユーモラスでもあるこのアーティストの作品に迫ります。
ニキ・ド・サンファル(1930-2002)はパリ近郊で生まれ、1933年に米国に移住しました。10代の頃はファッションモデルとして活躍し、1949年に『ライフ』の表紙を飾り、その3年後には『フランス・ヴォーグ』の表紙を飾っています。18歳で作家のハリー・マシューズと駆け落ちし、マサチューセッツ州ケンブリッジに移住。その後パリに移り、アレキサンダー・イオラス画廊で初めての展覧会を開きました。1971年フランスの彫刻家ジャン・ティンゲリーと結婚し、その後の10年間は公共彫刻や公園を共同制作し一躍注目を集めます。2002年5月、肺気腫のためカリフォルニアで死去。