¥6,380
A Something Else Reader
368ページ、全ページ図版入、ペーパーバック 英語
編集:ディック・ヒギンズ(1972年)
編集:アリス・センタモア(2022年)
価格:5,800円+税
『A Something Else Reader』は、ディック・ヒギンズが1963年にフルクサスやその他の実験的な芸術や文学を紹介するために設立した出版社Something Else Pressを記念して編集された未発表のアンソロジーである。その原型は1972年、ディック・ヒギンズによって企画書が書かれ目次と序文のみが作られた。ヒギンズはそれをランダムハウス社に売り込んだが、企画が実現する前にサムシングエルス・プレスが倒産してしまい、アンソロジーの出版計画は消えてしまった。本書には、クレス・オルデンバーグの『ストア・デイズ』、ジョン・ケージの『ノテーション』、『ブレイクスルー・フィクション』、ガートルード・スタイン『マチス・ピカソとガートルード・スタイン』、バーン・ポーター『アイヴ・レフト』などから選りすぐった作品が収録されている。またヴォルフ・フォステルの『デコラージュ/ハプニング』、アル・ハンセンの『A Primer of Happenings & Time/Space Art』の他、ナムジュン・パイク、ダニエル・スペーリ、アンドレ・トムキンズらによる本書のためのプロジェクトも紹介されている。60年代において、サムシング・エルス・プレスほどアーティスツブックに影響を与えた出版社はない。ヒギンズは、ラディカルなアートは本の形で世界に流通させることができる、という確固たるビジョンを持ち、現代アートと本の両方に対する従来の概念に挑戦する新しい作品を育てるために活動を続けた。奇妙なことに、ヒギンズは自分自身で『サムシング・エルス・リーダー』を出版するつもりはなかったそうである。ランダムハウスから返却された企画書は長らくヒギンズの書庫に保存されていたが、NYU美術部門キュレーターのアリス・センタモアが発見し、50年の時を経て『サムシング・エルス・リーダー』が初めて出版されることになった。
寄稿アーティスト
エレノア・アンティン、ジョージ・ブレクト,フィリップ・コーナー,ウィリアム・ブリスベーン・ディック,ロバート・フィリュオー、イアン・ハミルトン・フィンレー、バックミンスター・フラー、オイゲン・ゴムリンガー、ブリオン・ガイシン、リチャード・ハミルトン、アル・ハンセン、ディック・ヒギンズ、レイ・ジョンソン、アラン・カプロー,北園克衛、アリソン・ノウルズ、リチャード・コステラネッツ、ジャクソン・マックロウ他
ディック・ヒギンズ(Dick Higgins)はアメリカのアーティスト、作曲家、理論家、詩人、出版者であり、ジュージ・マチューナスと共にフルクサスを創設した。エール大学とコロンビア大学で英語の学士号を取得後、マンハッタン・スクール・オブ・プリンティングを卒業。ヘンリー・カウエルに作曲を学び、ニュースクールではジョン・ケージの実験音楽コースに参加。1962年秋から63年夏にかけてヨーロッパで行われたフルクサス創設期の活動に参加。1963年にサムシング・エルス・プレス、1972年にアンパブリッシュド・エディションズ(後にパブリッシュド・エディションズと改名)を設立した。生涯に渡りヒギンズは47冊の本を書き、編集した。