¥11,440
Gordon Matta-Clark: The Beginning of Trees and the End
Drawings and Notebooks
184ページ、153カラー/1モノクロ図版、ハードカバー 英語
価格:10,400円+税
ゴードン・マッタ=クラークは1970年代の「非建築的」で過激な作品でよく知られていますが、同時にドローイングに深く傾倒し、多くの作品を残していました。紙に描かれた作品は、立体的なレリーフ、カリグラフィー、ノートへの書き込みなど多岐にわたります。緻密で簡潔なこれらの作品は、ビジュアルアートとパフォーマンスアートの融合に対する彼の関心と、彼の作品の中での自然環境と建築環境のより広い統合を記録しています。この出版物は、2015年にニューヨークのデビッド・ズウィナー画廊で開催された「Energy & Abstraction」と題された個展に併せて出版され、ドラフトマンとしてのマッタ=クラークの並外れた業績を記録しています。「カット・ドローイング」、「エネルギー・ルーム」、「エネルギー・ツリー」、そして彼自身の「カリグラフィー」から、未発表の作品を詳細に紹介。「カット・ドローイング」は、彼の建築への物理的介入を縮小してより小さなフォーマットで表現したものです。紙やジェッソ、厚紙などを何層にも丁寧に切り裂き、物質の抽出によって生じるヴォイドを強調した「彫刻的な平面作品」を制作しました。また自身の「カリグラフィ」を用いたドローイングは、独立した形式としてのドローイングというメディアを強調しています。抽象的な文字がコードを構成していますが、それは解読できないままで、新しい言語や経験の構造を発明したいという先見性のある試みです。本書のタイトルともなっている「 Trees(木々の始まりと終わり)」では、精巧でカラフルな構図の中に木が含まれており、そのいくつかは、1971年にニューヨーク州北部のヴァッサー大学で行われたマッタ=クラークのパフォーマンス「Tree Dance」を明確に示しています。フルカラーのプレートでは、彼の木の物理的構造が運動エネルギーに「溶解」し、いくつかのドローイングでは多数の矢印に「変換」されているのを見ることができます。これらの作品は、ローリー・アンダーソンやトリシャ・ブラウンなどを魅了し、その後の多くのパフォーマンス作品に影響を及ぼしました。
ゴードン・マッタ=クラーク(Gordon Matta-Clark)
1943年ニューヨーク生まれのゴードン・マッタ=クラークは、1970年代に活躍した最も影響力のあるアーティストの一人として広く知られています。彼は、1960年代後半から1978年に亡くなるまで、ソーホーにあったニューヨークのアート界の活動と成長に大きく貢献しました。彼の作品は、都市の建築物を物理的に探り、破壊するという新しい過激な手法を導入しており、最もよく知られているプロジェクトの中には、廃墟の床にコニカル形状の穴を開けたり、「Splitting」(1974年)のように郊外の別荘を真っ二つに切断したりするものがあります。