¥2,200
優雅な生活が最高の復讐である:カルヴィン・トムキンズ/青山南・訳
CALVIN TOMKINS: Living Well Is the Best Revenge
248ページ、カラー/モノクロ図版約85点収録
税込価格:2,200円
アメリカの作家スコット・フィッツジェラルドがフランスで会って影響をうけたことで知られるアメリカ人画家、ジェラルド・マーフィーとその妻サラ・マーフィーを中心に、夫妻とヘミングウェイやピカソなどとの交友関係を描いたカルヴィン・トムキンズによるノンフィクション作品。
1920年代にパリとアンティーブという海辺の町で、マーフィー夫妻はコール・ポーター、パブロ・ピカソ、フェルナン・レジェ、アーネスト・ヘミングウェイ、そしてフィッツジェラルド夫妻など、この時代の最も印象的な芸術家や作家たちと華やかな交流を得た。夫のジェラルドは高級皮革製品で知られるマーククロス社の御曹司という恵まれた環境に生まれ、画家を志しフランスに渡っていた。フランス滞在の1922年から1929年まで15点の作品を制作し、そのいずれもがユニークなアメリカン・モダニズムの傑作とされている。1937年、一族の事業を継ぐためにマーフィーは筆を置いた。残された作品は点数こそ多くはないが、その発想の強さとポップアートの重要な先例としての地位が最近になって認められ評価が高まっている。本書には、マーフィー夫妻の家族アルバムに収められた70点近い写真と、マーフィーの絵画に関する特別なセクションが追加されており、芸術家の物語であると同時に魅力的なロスト・ジェネレーションの年代記となっている。
カルヴィン・トムキンズ(Calvin Tomkins)
「最高に愉しませる現代美術の書き手」(「アート・マガジン」)と評される美術ライター/ノンフィクション作家。1960年から『ニューヨーカー』のスタッフライターとして活躍。1960年代から1970年代にかけては、ニューヨークのアートシーンの記録者となり、ポップアート、ミニマリズム、ビデオアート、ハプニング、インスタレーション・アートなどのジャンルやムーブメントの発展について執筆した。マルセル・デュシャン、ジョン・ケージ、ロバート・ラウシェンバーグ、バックミンスター・フラー、フランク・ステラ、クリストとジャンヌ・クロード、ダミアン・ハースト、リチャード・セラ、ジャスパー・ジョーンズ、デヴィッド・ハモンズ、ピピロッティ・リスト、ピーター・ドイグ、エド・ルシェらにインタビューし数多くのエッセイを執筆。邦訳書に『優雅な生活が最高の復讐である』(リブロポート/新潮社)、『花嫁と独身者たち—現代芸術五人の巨匠』(美術出版社)、『ザ・シーン—ポストモダン・アート』(パルコ出版)『マルセル・デュシャン』(みすず書房)、『マルセル・デュシャン アフタヌーン・インタヴューズ』(河出書房新社)などがある。