¥2,852
駒井哲郎:煌めく紙上の宇宙(横浜美術館展覧会図録)
272ページ、278カラー+モノクロ図版、ソフトカバー
税込価格:2,852円
日本における現代銅版画の先駆者である駒井哲郎(1920-1976)は、深淵な詩的世界が刻まれた版画により、国内外で高く評価されてきました。駒井は銅版画を追求した一方、詩人や音楽家と交流し、総合芸術グループ「実験工房」での活動や詩画集の出版などで、文学や音楽との領域横断的な表現を試みました。またルドンやパウル・クレーをはじめ西洋画家たちへの敬愛も、駒井の芸術観の形成に深く関わっています。そこには「版画」というメディウムを軸としながらも、多様な表現ジャンルへと繋がる創作の補助線が、夜空の星座のような相関図を描き出しています。
本書は、初期から晩年までの駒井作品の展開を縦糸に、芸術家たちとの交流や影響関係を横糸とすることで、多面的な駒井の姿を捉えなおし、その作品の新たな魅力に迫ります。色彩家としての知られざる一面も、福原義春氏コレクションを核とした色鮮やかなカラーモノタイプ(1点摺りの版画)によって紹介。駒井の版画作品や詩画集など計約210点とともに、関連作家作品約70点を収録し、さまざまなジャンルとの有機的な繋がりにより紡ぎ出された、豊穣な世界を見ることのできる一冊です。