¥15,400
Ellsworth Kelly at 100
314ページ、170カラー+モノクロ図版、60デュオトーン図版、ハードカバー 英語
価格:14,000円+税
2023年からスタートした大規模な巡回展「Ellsworth Kelly at 100」に併せて出版された、アメリカの抽象画家エルズワース・ケリーのキャリアを網羅した展覧会カタログ。本書では生涯にわたるドローイングから、シェイプト・キャンバス絵画、後期のレリーフ/半立体/インスタレーション作品に至る多面的な芸術の重要な側面に焦点を当てている。ケリーはそのキャリアを通じて、絵画、彫刻、コラージュ、ドローイング、写真を用いて、形、色、線そして空間を探求した。豊富な図版によって構成された本書では、米国メリーランドに広大な敷地を持つグレンストーン美術館所蔵の作品に加え、主要なパブリック・コレクションやプライベート・コレクションからの作品を収録。「白い壁のための絵画」(1952年)や「3枚のパネルによる絵画」(1956年)といった初期の代表作や、アイコニックな「チャタム」シリーズ、「スペクトラム」シリーズを含む作品、またフランクフルトのポルティクス・アム・マインでの展覧会のために構想されて以来30年以上を経て展示される、記念碑的なフロア・ペインティングのインスタレーション「イエロー・カーブ」(1990年)も紹介されている。またケリーが1950年代から2005年までに撮影していた写真60点に加えて、アーティストのスタジオとグレンストーンのアーカイブからの未発表資料も含まれている。
序文:エミリー・ウェイ・ラレス、ベルナール・アルノー、
論考:ジャン=ピエール・クリキ、アレックス・ダ・コルテ、ピーター・エレイ、スザンヌ・ハドソン、コリー・ケラー、サラ・ロジャース、ユーリ・ストーン
同展はグレンストーン美術館(会期:2024年4月15日まで)での展示ののち、パリのルイヴィトン美術館(2024年5月9日〜9月2日)、ドーハのファイアステーション美術館(2024年10月24日〜2025年2月25日)へと巡回。
エルズワース・ケリー
1923年、ニューヨーク州ニューバーグ生まれ。ボストン美術館付属学校で学んだのち、奨学金を得て渡仏。パリ国立美術学校に籍を置く。フランスでは、ビザンチンの三連祭壇画や、アンリ・マティス、ジョルジュ・ヴァントンゲルローら先行世代の作品から大きな影響を受けた。ケリーは筆触を感じさせない色面を描いた作品でよく知られており、ミニマリズムやハード・エッジと関連づけられることが多い。そこに描かれた幾何学的形態は、現実にある事物の観察を通じて、植物や窓、建築などから着想されている。他方で、シェイプト・カンヴァスを用いたり、複数のパネルを組み合わせたりすることで、ケリーの作品はしばしば空間内にある物体としての側面を強く主張する。