¥3,850
杉本博司:本歌取り 東下り
2023年9月中旬発売(予約受付中)
226ページ(観音、片観音有)111カラー図版/11モノクロ図版、A4判変形、ソフトカバー
デザイン:下田理恵
価格:3500円+税
「私のアーティストとしての仕事とは、人が人となった頃の記憶を辿ること、そしてその記憶をさまざまな表現方法を駆使して、現代の人々にも見えるようにすることではないかと最近思うようになった。」ー 杉本博司
昨秋、姫路で始まった杉本博司の「本歌取り」展の続編は、東国である東京の地で新たな展開を迎え「本歌取り 東下り」と題された(2023年9月16日より渋谷区立松濤美術館にて開催)。この間一年、杉本は数多くの新作を制作し、本来は和歌の作成技法である本歌取りそのものについても拡大された解釈を進めていった。初期を代表する写真作品「海景」の自身によるセルフ本歌取りから、NYのスタジオにストックされていた印画紙の上にブラシストロークを走らせた「表意文字」のシリーズ、能・オペラといったパフォーマティブな芸能の世界に踏み込んだ作品まで、人類が生んださまざまな表現を包摂し軽妙かつ深淵な寛骨奪取を繰り返して制作を継続。その思考は人類史にまで到達する。本書では杉本の自叙伝的な記述と100点以上の大判の作品写真とともに、杉本流本歌取り論を集成し、現代美術作家・杉本博司の思索の旅路を辿る。
序章 人類の曙
第一章 書における本歌取り
第二章 芸能における本歌取り
第三章 写真における本歌取り
第四章 富士山における本歌取り
第五章 記憶喪失的本歌の無意識的集合による本歌取り
第六章 海景から宙景へ
杉本博司
1947年東京生まれ。74年よりNY在住。活動分野は、写真、彫刻、インスタレーション、演劇、建築、造園、執筆、料理と多岐にわたる。