¥22,000
DONALD JUDD: SPACES
432ページ、221カラー+11モノクロ図版、ハードカバー 英語
価格:20,000円+税
編集:フラヴィン・ジャッド、ライナー・ジャッド
文:ドナルド・ジャッド
ドナルド・ジャッドの作品と空間との関係を新たな資料・写真で追求した画期的な作品集。本書は、ニューヨークとテキサスにおけるドナルド・ジャッドの生活空間と仕事場について、これまでにない徹底的な調査を行い、その成果を盛り込んだ2020年に刊行された同名作品集の増補第2版。新たに撮り下ろされた写真とアーカイブ写真、そして作家による5つのエッセイで構成されており、その創作において極めて重要な役割を担ったジャッドのパーソナルスペースを紹介しています。
19世紀のマンハッタンにあるフラットアイアン・ビルのスタジオ兼住居からテキサス州西部の山中にある広大な牧場まで、ジャッドの現存する生活空間と作業空間を構成する建物の内部、外装、土地について詳述しています。ニューヨークのスプリング・ストリートの建物からは、芸術作品、家具、装飾品など、建物の歴史的特質と彼自身の建築的革新性との緊張感の中で、ジャッドがどのようにインスタレーションのコンセプトを作り上げたかを知ることができます。また、テキサス州マーファにある33,000エーカーの牧場に設立された「アヤラ・デ・チナティ」では、ジャッドが統合的な生活というコンセプトをより大きなスケールで実現しているのを見ることができます。家具から自らデザインした実用的な構造まで、これらの住宅にはジャッドの一貫した美学が反映されています。また、建築物の保存に深い関心を持ち、既存の建築物に意図的に介入したことも、彼の空間の特徴となっています。
ドナルド・ジャッド(1928-94)は、ミズーリ州エクセルシオール・スプリングス生まれ。アメリカ陸軍に従軍した後、バージニア州ウィリアムズバーグのウィリアム・アンド・メアリー大学、ニューヨークのアート・スチューデンツ・リーグ、ニューヨークのコロンビア大学で学び、1953年に哲学の学士号を取得しました。ジャッドは『Arts』、『Art International』、『Art News』などの雑誌で批評家として活躍し、キャリアを通じて執筆を続け、手紙や出版されたエッセイの中で、建築、デザイン、政治活動、生活体験と芸術実践の関係を取り上げています。ミニマリズム、コンセプチュアリズムを代表する彼のラディカルな作品と思考は、20世紀後半の芸術に大きな足跡を残しその後のアーティスト、建築家、デザイナーに影響を与え続けています。