¥18,700
Diane Arbus: Documents
2022年、496ページ、400カラー/モノクロ図版、ハードカバー(コデックス装) 英語
価格:17,000円+税
ダイアン・アーバスは、20世紀で最も独創的で影響力のある写真家の一人。
1923年にニューヨークの高級デパートメントストアを経営する裕福な家庭に生まれたアーバスは、写真家のベレニス・アボット、リゼット・モデルや雑誌『ハーパーズ・バザー』のアートディレクターを務めたアレクセイ・ブロドビッチらに師事し、1960年に『エスクァイア』誌で初めて写真を発表しました。その後グッゲンハイム奨学金を受け、1967年にニューヨーク近代美術館で開催されたジョン・ツァルコウスキーがオーガナイズした画期的な展覧会「New Documents」で注目されました。アーバスが撮影したのはカップル、子供、女装家、ヌーディスト、ニューヨークの歩行者、郊外の家族、サーカス団員、セレブなど、アメリカの社会に生きる多様な人物像でした。アーバスは、人間であることの意味を探求する鋭く、危ういイメージで最もよく知られており、戦後のアメリカ写真界において極めて重要かつ特異な人物です。彼女のモノクロ写真は、美的な慣習を打ち壊し、あらゆる確信を覆がえすものでした。アウトサイダーとみなされる人々を撮影した写真で賞賛され、同時に厳しい批判も受けました。批評家や作家は、彼女の作品を「不吉な」「ぞっとする」という形容詞だけでなく、「啓示的」「誠実」「共感的」とも表現しています。この新刊は1967年から現在までのアーバスについて書かれた記事、評論、エッセイを集め、写真家の作品がどのように受け入れられてきたかを描き、アーティストをめぐる真実と誤解を包括的にひもといたアーカイブといえるもの。膨大な点数の資料を網羅し、重要とみなされる記事は図版や当時の広告までを全文掲載し、誌面の複写も可能な限りオリジナルで収録。結果、アーバスについての言説が、どのような時代背景のもとに生成され、かつ受容されてきたかを視覚的に読み取れる一冊となっています。