¥3,520
卯城竜太『活動芸術論』
576ページ、ソフトカバー
価格:3,200円+税
アーティスト・コレクティブ「Chim↑Pom from Smappa!Group」の卯城竜太によるはじめての単著。独創的なアイデアと卓越した行動力で、社会や状況に介入し観客の意表を突く数々のプロジェクトを実現させてきたChim↑Pom from Smappa!Group。彼らの作品成立の背後には「プランニング」「スタディ」「ネゴシエーション」「オーガナイズ」「ステートメント」「ファンディング」「展開」などの様々なオペレーションが存在している。それは精緻な理論にささえられており、その作品や展覧会は驚くべき冒険そのものと言える。本書はそうした日本で最もラディカルなアーティスト・コレクティブの内奥をすべて開示し、グランドセオリーなき世界で新しい未来を切り開くためのドキュメント&理論書。
「結論から言えば、僕は、何重にも「アクション」の解釈がねじれたその先に、「いまやアクションあるのみ!」は、新たに有効なキャッチフレーズとしてここに再び召喚できると考えている。もちろん、繰り返すように、その言葉の意味は昔のままでも額面通りのものでもない。その使われ方もかつての前衛アートの「再生」にはならない。だから、この変化はリサイクルのようなマイナーチェンジとは違うスケールの、パラダイム・シフトに匹敵するものだと公言できる。アーティストやアクティビストと名乗る一部の行動派による度胸試しのような「直接行動」から、アクションの概念は、すべての人間に実装される「誰もができ得る『活動』」へと新たに拡張されているのである。そのことを整理する先には、きっと、究極的な目的と世界が広がっているはずだ。……脱資本主義や反権威という命題のもとに自爆を繰り返してきたアナーキーなアクションの文脈において、「新たなアクション」は、社会丸ごとを乗っ取る革命よりも先に、資本主義の支配が実は部分的に既に「終わっている」ことを気づかせるだろう。」(卯城竜太「はじめに」より)
卯城竜太(うしろ・りゅうた)
1977年東京都出身。2018年までChim↑Pomのリーダーを務めた。
Chim↑Pom from Smappa!Group
卯城竜太・林靖髙・エリイ・岡田将孝・稲岡求・水野俊紀により、2005年に東京で結成されたアーティストコレクティブ。2022年4月に「Chim↑Pom」から改名。