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『鈴木大拙 禅を超えて』山田奨治、ジョン・ブリーン=編
生誕150年を迎える鈴木大拙を様々な角度から描き出し、その全体像をとらえなおす学際的な執筆陣による論考集。
ハプニングの創始者として知られるアラン・カプローは1980年代に頻繁にZenセンターに通っていた。また、作曲家ジョン・ケージはコロンビア大学で大拙の講義を聴いて作曲のあり方を大きく転換するなど、鈴木大拙と横文字のZenが世界のアーティストに与えた影響は測り知れない。
本書は大拙の初めての英語の著作『大乗仏教概論』に関する論考から、アメリカ人の妻ビアトリスと関わった動物愛護運動、大拙とナチスとの関係、極東軍事裁判を背景に仏教の戦争責任を問うものまで、多彩な切り口からこの知の巨人に迫ろうとする一冊。安藤礼二、末木文美士ら大拙の新たな受容を試みる国内の執筆者に加え、多くの欧米の研究者が寄稿。鈴木大拙の知られざる面も拾い上げ、「いままでにない大拙像」をとらえようとする意欲的な内容となっている。