¥10,560 ($66.90)
Robert Ryman : used paint
336ページ、112カラー+モノクロ図版、ソフトカバー 英語
税込価格:10,560円
ミニマルアートの作家として知られるアメリカの画家、ローバート・ライマンの「白」の絵画について論じたスザンヌ・P・ハドソンによる評論をまとめた、M.I.T.Pressのオクトーバー・ブックスからの一冊。
意外にも、ライマンに関する初の本格的なモノグラフである本書でスザンヌ・ハドソンは、1950年代初頭の初期の絵画(多くは作品集未収録)から、近年のギャラリーでの展覧会に至るまで、その制作の軌跡をたどっている。ライマンの「白地に白」で構成されたペインティングは、絵画の慣習を最も徹底的に簡素化した作品として知られているが、著者は作品を綿密に読み解くことで、ライマンを絵画を絶え間ない個人的な探究として実践した画家と位置づける。ライマンの方法論を、①「実践を通じて学ぶ」、および②「使用された絵の具(used paint)としての絵画」という2点において検討し、彼を第二世代の抽象表現主義者、ミニマリスト、あるいはコンセプチュアル・アーティストたちとは一線を画す存在として描き出す。
ロバート・ライマン(1930年生まれ)は独学の芸術家であり、1950年代にニューヨーク近代美術館(MoMA)で警備員として働きながら本格的に絵を描き始めた。ハドソンは、ライマンの絵画へのアプローチが、MoMAの館長兼キュレーターであるアルフレッド・バーによって注目され、また同館の教育部門長ヴィクター・ダミコとその同僚たちによって広く一般に親しまれるようになった「近代絵画の歴史との日常的な触れ合い」から発展したと論じている。MoMAのモダンな「ホワイト・キューブ」の中でライマンが芸術的実践に触れた経験は、体験型学習という機関の精神によって形作られたと主張している。(この時代にMoMAで働いていた他の人物には、1961年にライマンと結婚したルーシー・リパード、補助事務員を努めなながらのちにリパードと共同で書店「printed matter」を立ち上げたソル・ルゥイット、ライマンと同じく警備員として働いていたダン・フレイヴィンなどがいる)
著者スザンヌ・ハドソンは、南カリフォルニア大学で美術史および美術の准教授を務めている。著書に本書『Robert Ryman: Used Paint』(MIT Press)および『Painting Now』(2015年、Thames&Hudson)がある。