¥24,200
Donald Judd: 1957-1963, Paintings and Objects
2025年
228ページ、114カラー図班、27.3 X 20.9cm、ハードカバー観音開き製本 英語
税込価格:24,200円
20世紀後半の美術動向に決定的な足跡を残したアーティスト、ドナルド・ジャッド。この本はジャッドがジャッドになる前の1957年〜1963年にかけての絵画・彫刻作品を系統的にまとめた出版物。ジャッド自身が「特殊な物体(Specific Object)」と呼んだ立体彫刻作品、有名な「スタック」や「プログレッション」シリーズで知られるジャッドだが、そのキャリアは画家として始まった。1957年から1963年にかけて、彼は約80点のキャンバス作品を生み出した。線、色彩、非具象的構成を独自に探求したこれらの作品は、後に続く象徴的な立体作品に直接的な影響を与えた。本書はジャッドの絵画と初期作品に関するこれまでで最も包括的な研究書であり、これまであまり紹介されてこなかった時期の制作にスポットを当て作品が二次元から三次元へと移行する過程をたどる。本書では、ジャッドの全絵画作品に加え、壁面彫刻の初期実験作を新たに撮影。
また本書は3人の主要美術史家による詳細な論考を収録。ジャッドが最終的にキャンバスを放棄し(あるいは移行し)、彫刻的形態を選択した経緯を論じた現代美術史家アイリーン・コステロの論考。ペンシルベニア州立大学美術史准教授であり、同大学仮想/物質研究センター所長を務めるサラ・K・リッチによるジャッドの絵画的技法とそれによって生み出されたキャンバス作品を解体・分析したテキスト。歴史家、キュレーター、そしてピッツバーグのカーネギー美術館元館長(ヘンリー・J・ハインツ二世記念館長)であるリン・ゼレバンスキーによるジャッドが絵画と初期作品を形成していた時期と、同時代の作家たちについて概観を提供している。
Donald Judd
ドナルド・ジャッドは1928年ミズーリ州エクセルシオール・スプリングス生まれ、1994年ニューヨークで死去。1963年にニューヨークのグリーン・ギャラリーで開催された初の立体作品による個展でその革新的な作品が評価され、作家としての地位を確立する。作品はニューヨーク近代美術館、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、ワシントンD.C.国立美術館、サンフランシスコ近代美術館、ロンドンのテートモダン、東京国立近代美術館など多数のコレクションに所蔵されている。ニューヨーク近代美術館は2020年から21年にかけてジャッドの大規模回顧展を開催した。1986年、ジャッドは自身の大型作品を恒久的に展示するため、テキサス州マーファにチナティ財団(La Fundación Chinati)を設立。1977年にはニューヨークとテキサス州マーファにジャッド財団を設立した。