¥7,480
坂本龍一写真集 田島一成:A DAY WITH RYUICHI SAKAMOTO
96ページ、カラー/モノクロ図版、ハードカバー・クロス装
写真:TAJIMA KAZUNALI/田島一成
デザイン:MATERIAL(MGMD A ORG.)
初版1500部
税込価格:7,480円
1995年、ニューヨーク。坂本龍一から写真集の撮影を依頼を受けた写真家田島一成。二人きりでマンハッタンを巡り、路上、地下鉄、カフェ、レストランなどで撮影された1日だけの写真の記録。今から30年前、43歳であった音楽家を27歳の写真家が捉え様々な表情を映し出す貴重な写真群。
『1995年、3年間暮らしたパリを離れニューヨークへ移住した。最初の数ヶ月居候をさせてくれたのは、撮影を通じて知り合った音楽家のテイ・トウワさん。当時坂本龍一さんのレーベルに所属していたテイさんの紹介で坂本さんに自分のポートフォリオを見ていただくチャンスを得た。小学生時代からの憧れのアイドルとの対面に大変緊張したが、とても優しく迎え入れてくれ、「娘が田島君のファンだから写真が見たかったのだ」と伝えられた。さまざまな話をしながらポートフォリオを見終わると、その場で「僕の写真集を撮らない?」と提案された。
(中略)
写真集の撮影が終わっても、広告や雑誌、CMなどさまざまな媒体の撮影のたびに声をかけていただき、坂本さんとの関係は長年続いた。反原発や自然保護、環境問題などの社会活動でも思いを共にした。坂本さんがゲストキュレーターを務めた札幌国際芸術祭にも参加アーティストの一人に加えていただき、その経験が後に自分が個人的な写真作品を制作するきっかけにもなった。若い頃から坂本さんの影響で創作活動に興味を持ち写真家になり、アートの世界へも誘ってくれた。坂本さんは、僕の人生を導いてくれた人。そして本当にチャーミングで思いやりのある優しい人だった。
坂本さんが亡くなってしばらくの間、ショック状態だった。最後の日々を綴った書籍も買ったまま未だに読めていない。坂本さんの良い写真があったら送って欲しいという事務所からの連絡をきっかけに過去のポジやネガフィルムを見返す中で、ニューヨークでの1日のロケ写真を改めて見返し、あの日の坂本さんの言葉や、ふざけてポーズを取る姿が次々と記憶によみがえった。グレーのTシャツの胸元に汗を滲ませながら暑い夏の日に撮影に付き合ってくれた坂本さんに、改めて感謝の念が湧き上がる。
坂本龍一を知る人にも知らない人にも、この写真集を楽しんで欲しい。チャーミングな一人のアーティストの1日を。できれば彼の音楽を聴きながら。』
田島一成(あとがきより)