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2026/03/22 12:15

息継ぎ個展『肺胞の内のひとつ』
会期:2026325日(水)〜426日(日)

会場:オン・サンデーズ&ライトシード・ギャラリー(ワタリウム美術館B1)


「身体を通り抜けていく」2026、紙に水彩、パステル、色鉛筆、鉛筆


作家ステートメント

「肺胞の内のひとつ」にあたって

 

肺胞とは、哺乳類の肺に3億個ほどある器官のことです

身体の内から二酸化炭素を排出したり、外から酸素を取り込んだり、身体の内と外を絶えず入れ替えています

・・・・・

息の仕方を確認する

ふと、いつも出来ていたことができなくなって、その事しか考えられなくなる

肺の感覚 周りの骨の感覚を思い出す

ひどいくらいに心臓が動いていることが はっきりとわかる

 

生活のことばかり考える

食事、洗濯、掃除、仕事、政治、家族、将来のこと

いつか死ぬこと

 

食事で足りないものをサプリメントで補うとき、人の身体は誰かが名前をつけた物質でできていることを改めて思い知る

身体が記号になっていく

 

いつのまにか、見える景色さえも文字と音声の集合になり、説明可能な形に置き換わっているようだ

人はそうやって大人になって、社会のひとつになるのだろうと理解する

文字や音声のなかった景色を見ていた記憶に靄がかかっていく

 

物語の登場人物に意識も身体も吸い寄せられているところに、現実を見ろなんて言われたことを思い出す

生活のことばかり考えている今、改めて現実を見るということについて考えてみたりする

けれど 気づけば私は、非現実が存在しているという事実と向き合うことを選んでいる

非現実を通して現実を再考するように、現実を見つめなおして非現実を再考する

 

生活の隙間をくぐり抜けながら かぎ針を通すように絵を描く

息の仕方を思い出すように

 

肺胞みたいに、絵は現実と非現実の間を担っている

例えば酸素のように、非現実から取り込んだ物が私を生かす

同時に、私が吐き出した息の行方を思う

植物が二酸化炭素を取り込むみたいに、この息はきっと誰かが使えるものでもあるんだろう  

画面の中を生きる人が、それを使って息をしていたら嬉しいと思う

 

そんなやり取りを仲介する肺胞みたいな絵が、あなたの身体の3億個の内のひとつとして、機能していたらいいなとも思う



「おはようといって」2025、キャンバスに油彩、パステル、色鉛筆



「夕立」 2025、紙にアルコールマーカー、色鉛筆



現実と非現実の間を絵を媒介として行き来する。

 

2024年ライトシード・ギャラリーで開催された個展『テーシス,(休息/吸気)』において、いっけん相反するかのような、表層とその奥に埋め込まれた質の相対的なバランスで、見るものの視覚と感情に届く絵画作品を発表し注目を集めた2001年生まれの画家息継ぎの個展を開催します。

 

前回の個展に続き、今回の展示もまた『肺胞の内のひとつ』という呼吸にまつわるタイトルのもとに開催されます。いわゆる「キャラクター絵画」を制作する若手作家の一人として紹介が続いた息継ぎですが、本展では近年作家自身に訪れた生活の変化、その生活の隙間をくぐり抜けながら 「かぎ針を通すように、息の仕方を思い出すように」制作されたという新作を発表します。


同時に近作のキャンバス、ドローイング、新たに挑戦する版画作品も展示。 アーティストの変化をご覧いただける機会となります。 



作家プロフィール
息継ぎ(ikitsugi)

2001年生まれ。絵描き。絵を通して、キャラクターと私たちの多様な関係性について考えている。
キャラクターたちが存在している場所や環境、そこで起こる出来事に思考を巡らせ、お互いのアイデンティティを尊重しながら、いかに心理的・物理的に距離の近い関係でいられるかを探求している。
アニメやゲームなどの登場人物たちと一緒に生きることが当たり前になった現代における新しい人間関係の形や、その中で営まれる新しい生活、コミュニケーション、そして人生観について描く。

 

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