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2025/03/19 14:23


会期:2025年4月1日(火)〜 5月30日(金)
会場:オン・サンデーズ&ライトシード・ギャラリー
協力:SIDE CORE
助成:アダム・ミツキェヴィチ・インスティテュート

オン・サンデーズ&ライトシード・ギャラリーではポーランドの現代美術作家スタフ・シュムスキーの個展を開催します。

1992年グダニスク(ポーランド)生まれのスタフ・シュムスキー(Stach Szumski)は、先史時代の壁画、新石器時代のペトログリフや中世のシンボルから、現代のグラフィティや解体されたロゴタイプまで、人々のコミュニケーションに使われてきた図像的モチーフを引用し、解体して作品にしてきました。その作品はペインティング、ドローイング、彫刻、インスタレーションなど様々な手法によって制作されてきましたが、近年アーティストが集中して取り組んでいるのがジャカード・テキスタイルを取り入れた作品です。


ジャカード織は1804年、フランス・リヨン市に生まれ育ったジョゼフ・マリー・ ジャカールによって、最も初期のプログラム可能な織機として発明されました。当時の皇帝ナポレオン・ボナパルトはジャカード織機に関する特許をリヨン市に与え、見返りとしてマリー・ジャカールは生涯続く3000フランの年金と、ロイヤリティを受け取ることになりました。その織機は、IBMが現代のコンピュータを開発するために使用したデジタルコンパイラの初期バージョンなど、他のプログラム可能な機械の開発にも重要な役割を果たしました。

シュムスキーによればジャカード・テキスタイルの制作は、絵画や写真のようなアナログ作品を、原始的な低解像度のデジタル・ユニバースに持ち込む経験であり、テキスタイルの物質性は、シュムスキーの作品に新たな美的フェーズをもたらすものでした。この技術は、形、色のつながり、テクスチャーの最大限の多様性を実験し、自律的な作品制作のプロセスを無限に続けることを可能にするとアーティストは考えています。

今回シュムスキーは、2024年にワルシャワのギャラリーで初めて発表されたジャカードによる作品シリーズの新作を制作・展示します。
テクノロジーと人間の関係性への独自の視点のもと、視覚的コミュニケーション・ツールを大胆に用いた図像として提示するアーティストの新たな試みをご覧いただける機会となるでしょう。


<プロフィール>
タフ・シュムスキー (Stach Szumski)

1992年グダニスク(ポーランド)生まれ。ワルシャワ美術アカデミー・メディアアート学科卒業。キャンバス、ノート、壁画、テキスタイルを通じてポップカルチャー、広告やプラスチックの屑などを題材とした光景が広がるような作品を展開。シュムスキーは世界の視覚
的な鮮やかさを非難したり暴いたりするのではなく、自らの絵画を検証し、分類すること  によって、廃棄物から創造へとつながるを見出す。近年シュムスキーはカロリナ・メウニツカと共に《生きる意味を求めて》という旅のシリーズを開始。その過程において日本、特に沖縄も含めたシャーマニズムの実践につながる場所を探求している。2017年、ウジャズドフスキ城CCAプロジェクトルームにて「Forecast for post-thermal-upgrading times」と題した個展を開催。2024年3月にはジャカード織を用いたテキスタイルの作品をワルシャワのV9 Galleryにて初公開した。

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