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2022/12/27 16:33

ヴァージル・アブロー全米巡回展「Figures of Speech(言説の形態)」



2021年11月、あまりにも早くそして唐突にこの世を去ったヴァージル・アブロー。ルイヴィトンのメンズウェア・ディレクター、Nike やikea との協働、自身のブランドOFF WHITEでの仕事などでファッション、デザインの世界に革命的な足跡を記したが、そのアブローが生前最後のプロジェクトとして手掛けたのが、現在アメリカを巡回しているヴァージル・アブロー展覧会「Figure s of Speech (言説の形態)」。

ファッションはもとより音楽、芸術、プロダクトデザインまでの広範な領域へのクロスオーバーを実践し、インダストリーのシステムにまで不可逆的なインパクトを与えたアブローだが、その創造の基盤にあるのは、やはり建築家としての思考回路なのではないだろうか。展覧会では彼の学生時代の作品から世界的な評価を得たのちの最新の仕事までを紹介した。全ての作品は年代、属性、コンセプト等のタグを付されたリファレンスによって分類され、アブローがいかに自分の仕事を俯瞰して捉えていたかを伺えるものとなっている。その展示構成をそのまま紙の上に移し替えた展覧会図録はあらゆる領域でのクリエィティブに有効なオープンソース・データとして編纂されている。

また全米を巡回中の同展のために用意されたプロダクトも非常にユニーク。これまでにシカゴ→ボストン→ニューヨークと回っているが、各会場ごとにデザインされたカプセルコレクションが発表されている。最新プロダクトとなるニューヨーク(ブルックリン美術館)・コレクションはコミック風のキャラクターを用いた如何にもブルックリンらしいカレッジテイストのもの。素材にもChampion社のリバースウィーブを用いるなど、細部にまでヴァージルの意志が伺えるものとなっている。


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