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8-BALL ALMANAC:8ボール・アルマナック
2023年発行
360ページ、カラー+モノクロ図版多数、ペーパーバック+ビニールカバー 英語
価格:9,900円+税
アーティスト集団であり同時に、独立系メディア・プラットフォーム、パブリックライブラリー、インディペンデント出版社、実践的教育センターでもある「エイトボール・コミュニティ(8 Ball Community)」は、2012年、ウィリアムズバーグの廃業寸前のビリヤード場「グランド・ビリヤード」の存続を支援しようという趣旨のイベント、パーティー、上映会、その他いろいろな種類の集まりから自然発生的に生まれました。当初バーテンダー、DJ、アーティストらがイニシアチブをとり、全員がこのビリヤード場を廃業から救おうと無償で働きました。そしてその年の6月、彼らは地元の出版社やアーティストを招き、店内のビリヤード台でZINEや印刷物を展示・販売することにしました。これが第1回目の「エイトボール・ジン・フェア」です。イベントは大成功を収め、最初の8-Ball Zine Fairから十数年が経ちましたが、このグループは2012年当時、創設者たちが考えていた以上の成長を遂げています。その範囲は、イベントの開催やZINEの販売にとどまらず、彼らが代表するサブカルチャーのアーカイブ、ラジオやテレビの放送、政治活動へと広がっていきました。
本書『8-Ball Almanac』は、コミュニティの10年間を当事者たちの言葉で綴った「オーラル・ヒストリー」本であると同時に、膨大な資料をまとめたアルマナック(Almanac=年鑑/便覧)です。全体は2部構成になっており、前半はビリヤード場から地下鉄ロリマー/グランド駅の一角、ハワードストリートにあるサングラスショップの地下、キャナルストリートの古いブティック店舗など、ニューヨークのあちこちを転々とした8-Ballの各スペースの歴史を紐解いています。またイベントチーム、図書館チーム、出版チーム、ラジオ&テレビチーム、そしてアクティビズムとコミュニティ・アウトリーチを担当するチームなど、8-Ballの各 "チーム “についての解説が綴られています。後半は、10年以上にわたって撮影された写真、さまざまなコピーやスキャン、ドキュメントのセレクションによる視覚的な構成となっています。
ボランティア活動から始まり、コミューナルでクリエイティブなマインドを持つ人々が集う強力で自立したコミュニティの10年を凝縮した一冊。