Murakami: Unfamiliar People -Swelling of Monsterized Human Ego
144ページ、120カラー図版、小口染抜き、4ゲートフォールド、ハードカバー　　英語
税込価格：9,500円


現在京都に於いて国内では8年ぶりとなる美術館（京都市京セラ美術館）での個展「村上隆 もののけ 京都」が開催中の日本を代表する現代美術家、村上隆（1962年生まれ）のサンフランシスコ・アジア美術館での展覧会図録。

ファインアートのみならず、ファッション、消費財、キュレーション、エンターテインメントなど、幅広い活動で知られる村上隆。スーパーフラット・ムーブメントの創始者である村上は、アニメや漫画からインスピレーションを得たポップな感性で、大胆な色彩と浮遊感のあるアートを制作している。しかしそのキャリアを特徴づけてきたハッピーな花や「カワイイ」キャラクターの背後には、よりダークな表現が潜んでいる。鋭利な歯を持ち、複数の目を持つモンスターたちは、横行する消費主義の影響、人間性の欠如、インターネット環境下でのリアルな「生」の危機を表現する手段として召喚されている。本書は、過去10年間の作品からこれらのテーマを探り、かつてない環境的、政治的、社会的混乱の時代に生まれ「Monsterized（怪物化）」した存在についての不穏なビジョンを提示している。

アーティスト・インタビュー、同美術館の日本美術シニアキュレーターであるローラ・W・アレン、現代アートを専門とする神戸大学大学院国際文化学教授の池上裕子、デジタルアートのエキスパートとして世界的に活躍する斯波雅子のエッセイを収録。村上にとってMonsterizedとは何か、また村上の彫刻の新たな方向性や最近のNFTプロジェクトの発端について考察している。