¥6,820
THE CANDY STORE: FUNK, NUT, AND OTHER ART WITH A KICK
136ページ、106カラー/モノクロ図版、ハードカバー 英語
価格:6,200円+税
1962年、アデリザ・マクヒューは、カリフォルニア州フォルサムの質素な家に「THE CANDY STORE GALLERY」をオープンしました。もともとはキャンディストアだったのですが、閉店を機に(保健所の許可を取り消されたため)ギャラリーにしたのです。「ファンク」と呼ばれるようになった前衛的な芸術スタイルと、「ナッツ」と呼ばれた関連するあまり知られていない芸術スタイルを展示・販売した最初のギャラリーのひとつでした。陶器や絵画などを展示する部屋は2つしかありませんでしたが、その小さなスペースに、後に国内外で活躍することになる作家たちが展示されていました。ロイ・デ・フォレスト、ピーター・ヴァンデンベルジュなど、アーティストの多くはカリフォルニア大学デービス校やサクラメント州立大学で教鞭をとっていたり、生徒であった者たちです。多くの人に愛された「キャンディ・ストア」の美学ですが、必ずしも広く評価されたわけではありません。保守的な評論家やコレクターの中には、「キャンディ・ストア」で紹介されている、洗練されていない、下品なアートに不快感を覚える人も少なくなかったようです。しかしマクヒューは、優れた芸術は人々を不快にさせるものでなければならない、と考えていました。彼女の言葉を借りれば「お酒を飲むならワインを飲みたいし、アートを見るなら刺激(KICK)のあるものでなければならない」。キャンディ・ストアは30年間にわたってギャラリーを訪れる人々を楽しませ、カリフォルニア州セントラルバレーの気まぐれでファンキー、そして不遜な美学を美術史的に有名にしました。同展のカタログとして発行された本書は、ギャラリー、先駆的なギャラリスト、尊敬すべきアーティストたちだけでなく、北カリフォルニアを中心とする美術史の流れを作ったコミュニティを、初めてまとまった形で紹介し称えるものです。