¥13,200
Gerhard Richter: Künstlerbücher 1966-2021
424ページ、735カラー+白黒図版、ハードカバー テキスト:独語
価格:12,000円+税
1966年にジグマー・ポルケとの共同作業で最初のアーティスツブックを制作して以来、このメディウムはリヒターの作品や芸術家としての自己像を理解するために欠かせないものとなっています。2022年、ベルリンのノイエ・ナショナル・ギャラリーはリヒターの手がけた書物による大規模な展覧会を開催。展覧会の3つのテーマは「自己イメージ/写真/偶然性」とされリヒター自身が構成を手掛けました。画家としての「自己イメージ」は、本やカタログ、版画、招待状、ポスターなど、社会が期待する画家像のさまざまなバリエーションに対するパロディ、仮装、遊び、そして何よりも皮肉とユーモアが強調されています。「写真」のイメージは、リヒターが描いた絵を写真で複製したもので「モチーフをイメージの担い手から切り離し、距離を置くことを可能にするもの」と位置付けられています。そして「偶然」ではリヒターの作品における計算と偶然の相互作用を示しています。新しい絵画のモチーフを見つけるために、ジョン・ケージやスティーブ・ライヒの作曲法を手本に、本の中のテキストを制御された操作で分解・組み立てたり、絵の中の色やパターンの力学を試したりして偶然性を取り入れています。
本書は美術図書館、国立美術館、版画素描美術館の所蔵作品に加え、ドレスデン州立美術館のゲルハルト・リヒター・アーカイブ、ケルンの書店「ヴァルター&フランツ・ケーニッヒ」の協力によりリヒターの思考世界をユニークに紹介する一冊。